退職金に課せられる税金には所得税と住民税があり、2007年の1月1日以降から税率や計算方法が変わっています。最新の2008年版を当サイトでご確認ください。
退職金は、会社などの組織で働いていた労働者に対して、退職する際に払われるお金のことをいいます。退職金制度は広くさまざまな企業で導入されていますが、法律によって定められた制度ではありません。しかし、日本では、会社の就業規則や給与規則に規定されている場合が多く、勤続年数などによって規定された計算方法によって退職金が支給されます。定年退職の際には、退職金の受け取り方法を選択することができる場合があります。一括で受け取る方法と年金として分割されて支給を受ける方法から選択することができる企業もあります。また、国家公務員や地方公務員が退職した際に受け取るお金は、退職手当と呼ばれます。公務員の場合は、企業とは異なり、国家公務員の場合は国家公務員退職手当法、地方公務員の場合はその地方公共団体の条例によって、退職手当の支払い金額や支払い方法が定められています。また、会社などの役員の退職金は退職慰労金と呼ばれることがあり、株式会社の役員の場合では株主総会の決議によって金額が決まります。
退職金には、所得税と住民税が課税されますが、通常の給与や賞与などの給与所得に課税される税金とは異なります。退職金は、長い間の労働に対して、退職後の生活を維持するために支給される性質のものであることが考慮されて他の所得からは切り離して税金を計算します。支給された退職金から退職所得控除を引いた金額の1/2として求められる退職所得の金額に、所得税の税率を掛けた金額が退職金に課される所得税の税金となります。
・退職所得の金額=(退職金−退職所得控除)×1/2
・退職金に課せられる所得税額=退職所得の金額×税率
退職所得控除は、勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数」で勤続年数が2年以下の場合は80万円となります。また勤続年数が20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」となります。勤続年数に1年未満の端数が発生する場合は、切り上げで数えます。
また、所得税の税率については2007年より、以下のようになっています。
195万円以下:5%、195万円超:10%、330万円超:20%、695万円超:23%、900万円超:33%、1800万円超:40%
住民税は前年所得に課税されますが、退職金に対しては所得税と同様に他の所得からは分離され、課税時期も支給された年になります。退職金に課せられる住民税の特別徴収額は、所得税を計算するときに求めた、退職所得の金額に市町村税(または特別区民税)6%、道府県民税(または都民税)4%の税率を掛けてその額の10%を控除した金額となります。
・市町村税(特別区民税)=退職所得の金額×6%×90%
・道府県民税(都民税)=退職所得の金額×4%×90%
上記から求めた住民税の特別徴収額については、100円未満は切捨てとなります。
最後に、退職金を受け取る際に事前に「退職所得の受給に関する申告書」を会社や事業所に提出しておけば、退職金に関する税金はすべて会社や事業所が処理をしてくれます。申告書を提出しなかった場合は一律に20%が税金として徴収されますが、余分に支払っている分は確定申告により返還されます。